当サイトの「少なめのマイル数で近距離路線を利用する」でも触れていますが、基本的に、「長距離路線でマイルをため、短距離路線でマイルを使う」のが、お得なマイレージ利用法とされています。
これは本当のことで、例えば、アメリカへの格安航空券と、アジアの某都市への格安航空券の料金が同じだとすると、もちろん必要マイル数が少ないアジアへの特典航空券のほうが、利用価値アップということになります。
なので、「アメリカやヨーロッパへ1〜2往復して、アジア内の特典航空券を使う」というのを繰り返している方も多いかと思います。
実際に私も、アメリカやヨーロッパへ飛んで貯めたノースウエスト航空(NW)・ワールドパークスのマイルを使って、東南アジアへの特典をビジネスクラスで利用しました。
アメリカやヨーロッパへ格安航空券やパッケージツアーで数回行くだけで、東南アジアへのビジネスクラスに(ほぼ)無料で乗れてしまうわけですから、大勢の方が実行しているのも納得できます。
昔は燃油サーチャージが無かった
私が、マレーシア航空のクアラルンプール経由でオランダに行ったのは2003年でしたが、燃油サーチャージというものは存在せず、航空券代・税金を合わせても6万円前後だったのを覚えています。
燃油サーチャージを払うのが当たり前になってしまった現在と比べてみれば、「昔は何て安く海外へ行けたんだ・・・」と嘆いている方も多いはずです。
同時に、「上の『長距離路線でマイルを貯め、短距離路線でマイルを使う』という一般的なお得な使い方も、燃油サーチャージが存在しなかった時代に言われていたことである」ということも忘れてはいけません。
つまり、「いま特典航空券を使う時は、通常の航空券代に加えて、燃油サーチャージ代も含めて、特典航空券の価値を計算する必要がある」ことになります。
なので、実際には昔のように、「長距離路線の特典は損だ!」と簡単に言えないのが実情です。
燃油サーチャージ無料の場合はお得
では、どのような特典航空券だと、長距離路線でもお得だと言えるのでしょうか。それは、「燃油サーチャージが無料(免除)になる特典航空券」になります。
通常、特典に必要なマイル数と、特典で飛ぶ路線の航空券代を比較すれば、その特典航空券の価値を大体計算することができます。
しかし、特典の燃油サーチャージが免除される場合は、航空券代の他に、その路線の燃油サーチャージ代もプラスして、その特典の価値を計算する必要があります。
例えば、日本航空・JALマイレージバンク会員が、同じ50,000マイル(エコノミークラス)を使って成田からロサンゼルスへ飛ぶ場合、以下のようなケースが考えられます。
なお、ここで参考にする燃油サーチャージ代は、2008年12月現在のものです。
例1:
日本航空を利用(航空券代は60,000円とする)。燃油サーチャージは往復66,000円で、これは自己負担する必要がある。
これだと、50,000マイルの価値は、航空券代の60,000円のみになるので、1マイルの価値は1.2円になります。
例2:
アメリカン航空を利用(航空券代は60,000円とする)。燃油サーチャージは56,000円で、これは無料になる。
これだと、50,000マイルの価値は、航空券代の60,000円に加え、燃油サーチャージ代の56,000円がプラスされるので、50,000マイルの価値は116,000円分になるので、1マイルの価値は2.3円になります。
このように、同じロサンゼルスへの特典でも、マイレージの価値の差は、およそ2倍になることがわかります。
「差が約2倍だとはいえ、1マイル=約2.3円なんて全然すごくない」と思われるかもしれません。それは事実で、これより価値のある特典航空券の使い方はたくさんあります。
昔のように燃油サーチャージを払う必要がなければ、長距離の特典だと、例1のように「1マイル=約1.2円」と、利用価値が低くなってしまうのが当然でした。
ところが、高い燃油サーチャージが免除されるのであれば、「昔よりは今のほうが長距離路線の特典を使う価値がある」とも言えます。
すぐに、「長距離路線の特典は損」と決め付けるのではなく、燃油サーチャージの額も含めて、総合的に計算すれば、長距離の特典も利用価値のあるものになります。
逆に、原油代が通常に戻り、燃油サーチャージも無くなってしまうと、長距離路線の特典の価値も、前のように少なくなってしまうことになります。
なので、矛盾のように聞こえてしまうかもしれませんが、「燃油サーチャージが存在する今こそ、欧米路線(長距離路線)の特典を利用するチャンス」と見るのも、1つの考え方なのかもしれません。
JALマイル・ANAマイルでも燃油サーチャージ無料のチャンスあり
それでは、特典航空券で燃油サーチャージが免除されるマイレージプログラムはどこなのでしょうか。
基本的に知られているのは、「アメリカ系マイレージプログラムだと、特典航空券で燃油サーチャージを払う必要がない」ということです。
しかし、アメリカ系マイレージプログラムでも、特典で利用する航空会社によっては燃油サーチャージを払う必要があります。
逆に、JALマイレージバンク、ANAマイレージクラブでも、提携航空会社によっては特典での燃油サーチャージが無料になるケースもあります(予告なしに変更される可能性あり)。
マイレージプログラム別による特典航空券での燃油サーチャージ情報は、特典航空券の燃油サーチャージ有無情報ページよりご確認ください。
最後に、特典航空券の燃油サーチャージ情報は予告なしに変更されるので、当サイトでの情報が古い場合もありますのでご了承ください。 |